社会の窓から

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日記 2019年7月24日‐7月28日  民度の高低と優しさは反比例する、という話①


チエちゃんのたっての願い(笑)で、ギリシャに行くことにしました。

いろいろと迷った挙句、「ジョージが戻ってきて仲良くしてること」「僕の滞在中の食住の保証」「働き口を探してくれること」を条件に、ともかく一か月ほど行ってみることにしました。

東京からの直行便は高く、香港発7月29日便が最も安いので、それを買ってくれました。僕としては9月になってからのほうが有難かったのですが、(チエちゃんのほうにもいろいろと事情があって、笑)一刻も早く来てほしいとのことらしいのです。僕がチケット代払うわけではないですから、逆らうわけにはいきません。

その前に香港に行かねばならない。23・24・25日の便には比較的安い(1万前後)のがあります。モニカにそれを買うよう頼みました。

いつものごとく、即刻購入したのですが、またドジをふんじゃいました(僕が確かめてから買え、と口酸っぱく言ってるのに守らない)。購入した一番安い切符が、なんと韓国の大邱(韓国第三の都市だそうな)経由。それも乗り継ぎに15時間。

モニカにその旨伝えたら、

「すまん、香港まで24時間かかる、えへへ」 一応悪いとは思ってそうなので、怒るわけにも行きません。  

成田を夕刻出発、大邱に夜着いて、翌日の午後香港に向け再出発、夕刻に香港到着です。

通常4時間のところを24時間!僕は乗り物の中や空港での睡眠は苦手です(山の中なら平気だけれど)。でも、寝ないと体が持ちません。

無一文(中国やギリシャに着けばなんとかなる)なので、幾らかの資金を知人に借用し、空港でのホテル代を確保しました。

なにしろ、71歳にしての初韓国です。正確な初韓国は、やはりモニカがドジって韓国経由のチケットを購入してしまった一か月前なのですが、その時は仁川空港経由の短時間乗り継ぎ便だったので、イミグレーションの外には出ていません。15時間ほど滞在する今回は乗り継ぎという訳には行かず、一度イミグレの外に出るため、正真正銘の「初韓国」となります。

数千円で泊まれる安いホテルが空港の近くにあるだろうか?、、、かなり不安です。なきゃ空港の中で睡眠剤の力を借りて眠るしかありません。

成田から大邱に向かう途中、新たな不安が頭を持ち上げてきました。そもそも「韓国第三の都市」の空港が、24時間オープンしているのだろうか?日本や中国でも24時間滞在できる空港なんてそう多くはないはずです。

心配は当たりました。当たったどころか、悲惨でした。


とにかく、想像していた以上に酷かった。空港職員の対応が、余りにも悪すぎる。到着(イミグレ通過)時刻が午後10時55分、空港閉鎖が11時です。11時には有無を言わせず閉鎖して、外に出ろ
と追い出されてしまいます。

まあ、それは仕方がない。で、とりあえず食堂とか喫茶店とかに行って、ホテルを探して、、、と思って空港職員に尋ねた(もちろんインフォメーションは閉まっている)のですが、空港の付近にはどれもない、という(めんどくさそうな)返事。とにかく空港は閉めるので、一刻も早く出ていけ、と。タクシーで町の中心部に行くしかありません。

それで、まずATMでお金を、、、と思ったら、ATMなどない、と、さも当然かのような返事。交番に行って助けを求めようとしたけれど、交番もないといいます。

仕事を終えてタクシー乗り場にいた意識高い系のスチュアーデスに尋ねたら、めんどくさそうに(あからさまに人を見下すような態度で)、セブンイレブンに行けばATMがある、と教えてくれました。それで少し離れたセブンイレブンに歩いて行きました。しかしカードは使えない。

せめてトイレに行きたいと、あちこちを探しまわって、店じまいを始めた小さな食堂?のおっちゃんに尋ねました。おっちゃん:「裏にある、ただし小便しか出来ない」。僕:「それで充分です」。

おっちゃんは、少し日本語と英語が出来るようでした。ついでに確認しておくことにしました。

>「ATMは本当に使えないのか?」「ホテルや食堂もないのか」
>>「そうだ、夜11時に一斉に停止する」「ホテルも食堂もない」
>>「空港は朝6時には開く、確か7時ごろにはATMも動くはず」

けっこう人の好さそうなおっちゃんだったので、この際不満をぶちまけてみました。
「韓国はけしからんところだ」「第3の都市という大邱の空港の周辺に、ホテルも食堂もないとは、なんてことだ」「あからさまに韓国ヘイトをする日本人を恥ずかしいと思ってたけれど、僕も今その気持ちがわかる」云々。
おっちゃんは、なぜか謝ってくれました。

店の前にベンチがあったので「ここで寝ても良いか?」と尋ねてみました。 
日本なら断られるシチュエーションです。意外なことに「いいですよ」という返事。「せめて、空港が開くまでゆっくり横になって休んでください」と、傍らの電気をつけてくれました。

4時間ほど、寝ることが出来ました。明け方、驟雨で目を覚ましました(とてもいい夢を見たので、それは別の機会に紹介します)。

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↑深夜1時から早朝5時まで、ここで1時間眠った。僕の人生での韓国における(空港内以外では)全体験。2019.7.25


空港では、無事ATMを使うことが出来ました。パソコンのWi-Fiも使えそうです。でも、ソケットのスタイルが、日本式とも香港式とも中国式とも異なる。まだ7~8時間いなくてはならないので、充電は必須です。

改めてインフォメーションを探しました。開いたばかりのインフォメーションには、けっこう可愛い美人のお姉さんがいて、アダプターを一生懸命探してくれました(昨夜の職員たちと違って親切)。

まだ使ってない新品の万能アダプターを見つけて、渡してくれました。「使い終わったら戻しますね」と伝えたら、「そのまま持ってっても良いですよ」と言ったように聞こえました。

空港内の食堂に入ったら、コンセントのソケットが一か所だけありました。でも、差し込んでも、スカスカで抜け落ちる。四苦八苦していたら、ウエートレスがセロテープを持ってきて貼り付けてくれました。韓国うどん一杯で5時間ほど粘りました。

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↑ベンチを使わされてくれた駐車場横の食堂。

 

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↑空港内のレストランで慣行うどん一杯で、朝からお昼まで5時間ほど粘る。800円ほど。まあまあ美味しかった。


韓国第三の都市の空港での悪夢の15時間が過ぎ、チェックインタイムがやってきました。 一応、コンセントのアダプターを返しに行くことにしました。

でも、朝のお姉ちゃんは「そのまま持って行っても良いですよ」と言ってくれていたような気がしたので、午後の受付の人に、「えーと、一応返しにきましたけれど、朝いた人が、“持って行っても良いですよ”と言ってたので、、、、」と説明をしかけたところで、ちょうど仕事を終えた朝のお姉さんが帰ろうと顔を出して、一瞬、ちょっと困った表情をした(と僕には感じた、笑)あと、すぐに笑顔になって「記念に差し上げるので使ってくださいね」と答えてくれました(数日後からのギリシャと同じスタイルだったので二重に役立った)。

僕の韓国に対する感情は、本来のマイナス100に加えて、昨夜の空港の出鱈目さでさらにマイナス100、どうしようもなく最低だったのが、ベンチを使わせてくれたおっちゃん、セロテープを持ってきてくれたウエートレス、そしてこの受付けのお姉ちゃんで、半分以上取り戻せたような気がします(まあ、単純すぎますが、笑)。「民度は(思っていた通り)低いけれど、心は結構あったかい」というのが、僕の初韓国における印象です。

午後5時香港空港着。すぐにシャトルバスに飛び乗り、深圳のイミグレーションへ。新幹線(10数分置きに出ている広深和諧号)で広州東。地下鉄を2度乗り換えて、最終のバスに間に合って、その日のうちにモニカが借りてくれている広州のアパートに到着しました。

これまでも同じことを何度も書いていますが、、、、中国の地下鉄の乗車は一苦労です。(持ち物検査や切符購入の面倒さについてはひとまず置いておくとして)30年前のバスの場合と同様に、今でも利用者のマナーが全くなってません。降りる前に我先にと乗り込んできて、いつも団子状態になっています。日本同様にきちんと整列して乗車する香港の利用者とは、民度の差は歴然としています。

ただし面白いことに、そうやって我先に奪い取った席を、僕のような老人を見かけると、躊躇なく譲ってくれるのです。香港では、そのようなことは滅多にありません。ちなみに、今回のように、一駅や二駅で乗り換える場合でも席を譲ってくれるので、面倒なのと申し訳ないという気持ちで、なるたけ気づかれないようにと隅っこに立っていたりするのですが、そのようなときでも、わざわざこっちまで来て「座ってください」と声をかけられたりします。もちろん(本心では面倒だから座りたくなくても)感謝の意を表して、有難く座らせてもらっています。

中国と香港の違い、あるいは中国と日本の違いを端的に示す例が、この「地下鉄問題」、そして「コンセント問題」。中国では(今回の韓国でも)気持ちよくコンセントを使わせてくれるが、大抵のコンセントはきつすぎたり緩すぎたりして上手く嵌らない、その点日本では、常にコンセントはきっちりと嵌る、でも使わせてくれない場合が多い、、、、どちらが良いのだろう?

「民度の高低」と「心の広狭」は反比例する、という話でした。

 

 

悪夢の韓国を脱出し、やっと香港に着きました。2019.7.25