社会の窓から

社会の窓を開け放ち、世界の人々と交わろう。

香港デモ・レポート 2019.8.31(続き)

今日、これまで出会ったことを、時系列でスケッチしていきます。

香港において僕のパソコンでWi-Fiを使うには、(場所によっては無料Wi-Fiを使えるところもあるのですが)概ね「スタバ」に入って何かを注文しなければなりません。レシートに期してある番号で、30分間だけ利用が可能なのです。そのため、(何人かの人と連絡を取る予定だったので)現場とスタバを往復し、何度も注文し直さねばならない。最も安いエスプレッソのソロで、500円近くします。今日だけで全財産の2~3割を使ってしまったかもしれません。

朝、8時半頃に深圳のボロホテル出発。 ↑深圳 朝の屋台

9時~10時、ボーダーの横の「味千ラーメン」で高くてまずいラーメンを食べました(パソコンのコンセントを使うため)。

10時過ぎ、イミグレーションを通過。いつも思うのですけれど、行きも帰りも、香港側も中国側も、他の人が長くかかっていても、僕は一瞬の間にチェックを終えてくれます(たまに理不尽な難癖をつけられることもあるけれど、笑)。何故なんだろう?と、いつも不思議に思っています(「取るに足らない人間」と思われているのかな?)。

もう一つ、以前の「現代ビジネス」の記事にも書いたのだけれど、ボーダーを行き来する人は、中国人よりも香港人のほうが、圧倒的に多い(数10倍の単位で)。データー的にどうなっているのかは知りません。返還後20年以上行き来している実感としてです、早朝の時もあるし、夜中前の時もある。今年は20回ほど往復していますが、いつもそんな感じです(帰りに数えたので後で報告します)。

ちなみに、老人は、深圳地下鉄が無料、香港は半額。

11時前、法議会会館などのある金鐘駅に到着。周辺には黒シャツの姿なし。スタバのWi-Fiでメールチェックします(エスプレッソとクロワッサンで1時間利用可)。 ↑香港 金鐘駅

ネットで調べたら、今日のデモは当局が不許可したにも拘わらず、市民が自主的に決行するとのこと。午後3時「チャーター・ガーデン」スタートです。

この花園にはしばしば訪れているのですが、念のためスタバの店員(男の子)に、再確認しました。すごく丁寧に教えてくれました。「私は日本人です」と言ったら、「取材ですか?」と聞かれたので、ちょっと答えに詰まったのだけれど「まあ、そんなところです」と答えました。

すると、、、僕のテーブルに、注文したエスプレッソとクロワッサンのほかに、豪華な抹茶ジュース(これが甘くなく、大変美味しかった!)を持ってきてくれた!そして、そっとメモを。「ファイト!」と書いています。「香港負けるな」を日本に報道してほしいわけですね。 ↑いやあ、 懐柔されてしまいそうで、、、、いかんいかん。でも素直に頂きました。

大雨になってきました。花園には、もう大勢が集まっています。付近の道路も身動きが取れないほど。「正義がんばれ、悪に負けるな」の大合唱が続いて、いろいろパンフレッドも配られます。明日はまた空港でデモするんだそうな。

↑香港の人は、中国本土の人と違って、アメリカが大好きなようです。アメリカの国旗をあちこちで見かけます(もちろん持ってるのは香港人)。

雨脚が強くなったので、ビルの隅っこに移動。黒シャツの可愛いの娘が、何かを配っていました。

ハンバークです。無料配布してます。「え?貰って良いの?」「もちろん!日本人でしょう?がんばって取材して、日本の皆に香港の正義を伝えてください」。 ↑いかんいかんいかん、、、、懐柔懐柔。でも、大変美味しかった。

↑デモ隊と一緒に中環駅に向かいます。

信号赤でもお構いなし。赤信号の間に何人渡るか数えてみることにしました(写真のシャッターを20枚ほど押し続けて、、、結果報告はあとで)。バスは黒シャツ隊が横切るのをずっと待っています。正義のためだから、当然です。

↑一斉に同じパフォーマンスを行います。

今日は、まだ警察の姿を一人も見ていない。街中のこんなドンチャン騒ぎに、警察が一人も動員されていないということ自体、異常だと思います。

あちこちで(欧米人がいると彼らに向かって)「正義の大演説」を、涙ながらにブッてます。「香港に自由を!」「警察は我々を殺すな!」もう聞き飽きたです。

ふと想いました。赤ちゃんが駄々こねて、お母さんにおっぱいねだってるみたいだと。

デモ隊の中から、緑の光線が飛び交っています。一体何だろう?と、その発信源にカメラを向けてみました。すると、こちらを狙って、緑の光線を放っているではないですか!「どうやら、写真を撮るな!」と警告しているようです。 ↑この2人の写真を10枚ほど移しました。敢えて一番映りが悪いのを選びました。本当は、こちらを直視した目の鋭さが半端ないのです(一応ぼかしも入れた)。

↑写真写すな!

ちょっと恐ろしくなったので、近くにあった別のスタバに避難することにしました。「Wi-Fi使えるか?」と尋ねたら、「無料で使って良いですよ」と、Wi-Fiコード番号を書いたレシートをくれました。申し訳ないので、またエスプレッソとクロワッサンを注文しました(気が弱くて、情けない、、、)。これで一時間半は粘れます。

しかし突然、5時閉店という通知が。聞くと、香港島全店のスタバを、緊急閉店するんだそうです。せっかく三回分のWi-Fiをゲットしたというのに、、、。

黒マスクが、スタバの店内まで入ってきました。でも「正義の使者」なので、皆平気です。

それにしても、黒シャツ黒マスク市民たちの統制のとれ方は、異常なほどです。昨日の「紹介記事」にも書いてあるように、背後(それは国外?)で、巨大な権力者が、糸を操っている、と、、、、なるほど、とも思うのですが、僕はそうではないと感じています。

誰か特定の人が糸を引いているのでは無く、自分たちの間で、「相互同意」による「共同幻想」を作りだしているのです。民衆が、自主的に「巨大な(目に見えぬ)ラスボス」を作り上げ、その「正義」(既得権の確保の主張)の許、一糸乱れぬ「平和的行動」を、世界に向けて発信しているのです。

分かりやすい「悪」としての存在の「中国共産党」や、その(表に出ぱなっしの)ラスボスのキンペイよりも、ずっと不気味です。「第二次大戦」時の、日本国民と、よく似ています。

お国のための特攻隊(暴動)の役割は、物々しいガスマスクを付けた、黒シャツです。警察をおびき出そうと、暴動の準備をし、周りの「平和な市民」は、それを挙って応援するのです。暴動は正義の理念の上でなされるので、暴動ではない、という訳です。

ガスマスクの黒シャツは、時間が経つにつれて、急速に増えていきます。 ↑ 黒シャツ突撃隊の“正装”。

やがて、群衆の真上の上空に(中国の?)軍事ヘリが現れ、群衆のワクワク度(さあ、中国が私たちを殺しに来たぞ)は高まっていきます。 ↑群衆の真上を、長時間、ずっと留まっていました。

ガスマスク隊の暴動(物を投げつけたり所かまわずぶち壊したり)が始まりました。それと同時に警察が動き出した。催涙弾の発射。群衆から一斉に拍手と大歓声が沸き起こります。みんな万歳しています。「待ってました、正義よ頑張れ、悪に負けるな、と。 ↑警察がやってきて、突撃隊と衝突。やっと今日の目的が果たせます。みんな大興奮です。ここにもなぜかアメリカ国旗。

もちろん、写真など撮れません。そんなことすると、殺されるかも知れない。もちろん「正義の市民たち」にです。もしそうなっても、警察に殺されたことになるのでしょうが。

僕も催涙ガスを吸い込んじゃいました。体調が悪い身にとっては、相当堪えます。ここは逃げるしかありません。 ↑地下鉄に通じる通路は、フィッリッピン女性のたまり場。ガスがこの辺りまで流れてきそうです。

地下鉄乗り場に降りると、黒シャツ隊が無料でチケットを配ってました。僕も、流れで受け取ってしまいました。

駅の案内(?)放送も、「正義の訴えなので怖がる必要はありません、しかし警察が私たちを狙い出したので危ないです、早く電車に乗って逃げてください」と、言っています。

「明日空港で会いましょう」の大合唱が、延々と繰り返され、駅構内にまで響き渡ります。まるで、高校野球の大応援団の合唱みたい。よくもこれほどまでに統率のとれた「同調」が出来るもの、と、つくづく感心してしまいます。 ↑ちょうど今(9月1日午後1時ジャスト)空港内にいるのだけれど、厳重警戒で、彼らの気配はありません。

九龍側のジョルダン駅まで移動し(九龍側から香港島行きの地下鉄は、既に全て不通になっているようです)、こちらはまだ営業している、今日三つ目のスタバに寄ってみました。

エスプレッソを注文したら、閉店(10時とのこと)までの無料使用券をくれました。申し訳なく思って、またハムチーズクロワッサンを追加注文しました。

喉が痛いので、予定を速めて9時に引きあげることにしました。ボーダーの羅湖駅まで1時間弱。

電車に乗って、疲れたので座ろうとしたら、その直前に若い親子連れ男性に席を取られて、子供が座ってしまいました。傍らにいた奥さんが、「お年寄りに替わってあげなさいよ」と言ってます。でもご主人は知らんふり。タイミングを見計らって、何気なく「香港人ですか?」と訊ねたら、奥さんは申し訳なさそうに「そうです」と。

午後10時、ボーダーに辿り着き、通過は行と同様に(香港中国とも)やはり僕だけ超簡単でした。

深圳側に出ると、(中国人たちは)誰もマスクをしていません。重圧から解放され、ホットとします。

でも、深圳側の地下鉄の乗車時には荷物検査があるので、イラっともします(全然見てないので腹立たしさが増します)。

相変わらず、団子になって我先に乗り込みます。香港側より、圧倒的に民度は低いです。

乗車後には、やっぱり、せっかく奪い取った席を僕に譲ってくれます。一駅だけなので本当は座りたくないのだけれど、有難く座らせて貰います。

横にいた奥さんが、グッド!と言って、その40歳ぐらいの男性が照れてました。

何故か、僕まで嬉しくなってきます。